カテゴリー
マナー 挨拶状 案内状

震災後の挨拶状(案内状)


前回のブログで、震災後の挨拶状について
被災者の方々を対象に無料で印刷作成してくれる
挨拶状ドットコムのサービスについてご紹介しましたが
今回は、被災地以外の地域の方が、挨拶状を出す場合の文章について
ご紹介したいと思います。

・・・が、その前に、挨拶状の基礎のおさらいです(*^_^*)

通常よくあるビジネス文書での冒頭の挨拶文
拝啓 ○○の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

拝啓 ⇒ 頭語といい、「これから申し上げます」という意味です。

○○の候 ⇒ 時候の挨拶です。 
○○の部分は、季節や暦に合わせて変化させます。
4月なら「春暖の候」とか「陽春の候」とか
5月なら「新緑の候」とか「向暑の候」などがあります。

 

貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
 ⇒ 手紙の「前文」にあたる部分です。大体お決まりの文章が入ります。

例えば、不景気で業績が、右肩下がりのきびしい状況でこの文章をいただいても
「“ご清栄(商売繁盛)”してないわい!」と怒っては、いけませんよ。

なぜならば、このお決まりの文章には、
ますます“ご清栄(商売繁盛)”されることを願っていますよ!と
いう意味が込められているのです。
言葉には、“言霊”が宿ると言われ、
言葉にすると現実になる!という話を聞いたことありませんか!?
だから、相手の会社が、例え不景気としても
「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」と言っていいんです。

と、まあ、解説してみましたが、
普段ならこのお決まり文句に疑問を感じる方は、ほぼ居ないと思うのですが、
今年ばかりは、ちょっと違いました。

この未曾有の震災の後・・・・

お手紙のお決まり文句

「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」とか

「皆さまにはお健やかにお暮らしのこととお喜び申し上げます」というのに

抵抗を感じる方が多数いたようです。

また、震災についてのお見舞い文を入れたい、入れた方がいい?、
どう入れる?という質問もYahoo!知恵袋 や はてな で多数あがっていました。

あれだけの大規模な震災ですから、被災地以外の方へ送るご案内状であっても

受け取る方の身内や友達が、被災されている可能性も高いですし

被災されていなくても日本中が喜ばしい雰囲気ではないなか、

顰蹙をかってしまうのでは?と心配された方が、多かったのも頷けます。

震災後の3月、4月の案内状では、冒頭の挨拶を
以下のようにアレンジされる方が多くいらっしゃいました。

————————————————————————–
拝啓 この春は 例年の時候の挨拶がむなしくなるほどの事態に見舞われましたが
皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか
————————————————————————–
謹啓 心待ちにしていた春がようやく訪れ 桜花の候となりました 
震災に遭われた方々を気遣い乍ら 皆様方のご健勝をお喜び申し上げます
————————————————————————–
拝啓 春暖の候 いかがお過ごしでしょうか
未曾有の災厄に襲われながらも 芽吹き花を咲かせる木々に励まされたような心地でおります
————————————————————————–
「お決まり文句」だけでなく、こうやってアレンジできる方ってすばらしいですね。

少しずつ復興に向けて動き出した今(5月、6月)の案内状ならば、
以下のようなご挨拶は、いかがですか?
————————————————————————–
拝啓 未曾有の震災から早2ヶ月が過ぎましたが皆さまいかがお過ごしでしょうか
被災された方々の一日も早い復興を心から願い
少しでも自分にできる事を続けてまいりたいと思っております
————————————————————————–

私の個人的な考えですが、案内状も挨拶状も「お手紙」です。

だから 気持ちが一番 かな と思います。

相手に失礼があってはいけませんが、
多少 文法がおかしくても 気持ちがこもっていれば
伝わるのではないでしょうか(*^_^*)