カテゴリー別アーカイブ: 表記のゆれ

夏季と夏期の違いって…!?


先日、暑中見舞いにお盆休みの案内を入れる場合の
サンプル文を考えていたんです。

まずはタイトル

「夏期休暇のお知らせ」

あれ?

「夏期」でいいの?

それとも、「夏季」なの?と
疑問になりまして、調べてみると

・夏期・・・・夏の期間。夏の間。

・夏季・・・・夏の季節。
NHK放送文化研究所では、以下のようなQ&Aが掲載されています。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/063.html

(質問)学校の夏休みを表す場合には、「夏季休暇」と「夏期休暇」のどちらが正しいのでしょうか。

(答え)世間一般ではどちらも使われていますが、法律文では「夏季休暇」が用いられており、
放送でもこれに従うようにしています。

 

 

こちらの解説によりますと
「夏季~」が使われるのは、夏季休暇、夏季水泳大会、など
「夏」という季節が注目されており「夏季休暇」は暑いから休むのであり、
また「夏季水泳大会」は暑い季節だから泳ぐということです。
これと似たものに「冬季オリンピック」があり、これは冬だからスキーやスケートをするという見解です。

いっぽう「夏期~」が使われるのは、夏期講習、夏期研修、など
これらは、実施する期間がたまたま「夏」であるだけで、
別に暑いから勉強をしたり研修をしたりするわけではなく、
「暑い」などの「夏らしさ」とは必ずしも関係のないものです。
とあります。
なるほど。

「夏」という季節がポイントということですね。
では、企業やお店の“お盆休み”は、どうでしょうか?
夏だから休むのか、休む時期がたまたま夏なのか?

私の見解は、“お盆”といえば、ナスやキュウリをお供えしたり
盆踊り、夏祭りなど“夏”と非常に密接なのではないか?と思うので
「夏期」ではなく、「夏季」だと思うのです。

 

そして、もう一つの疑問「休暇」

学校の夏休みは、「夏季休暇」でなんの疑問もないのですが
会社やお店のお休みは、「休暇」でいいのかな?
「休業」というべき?

 

介護休業と介護休暇の違い
http://ganclass.jp/support/protection/06.php

育児休業と育児休暇の違い
http://allabout.co.jp/gm/gc/184665/

 
介護休業・介護休暇、および、育児休業・育児休暇には、
法的な違いがあるようですが、
会社のお休みをさす「休暇」と「休業」には、
さほど違いがないようです。

 

さて、単語の掘り下げはこのへんにしておきまして…

私の当初の目的は、
“暑中見舞いにお盆休みの案内を入れる文章”の作成ですから
お店(会社)のお休みをお伝えしたいのです。

お店(会社)が開いている日のことを「営業日」というのですから
お休みの日は「休業日」とするのが自然なのではないでしょうか?

つまり

夏季休業

という表現が一番しっくりくるのではないでしょうか?

そして
完成した暑中見舞いのサンプル文がこちら↓

—————————————————–
<夏季休業期間のお知らせ>

平素は格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。
誠に勝手ながら下記のとおり夏季休業とさせていただきます。

夏季休業期間 8月13日(水)~8月17日(日)

ご迷惑をおかけいたしますが、
何とぞご了承のほどお願い申し上げます。

平成26年 盛夏
—————————————————–

いかがでしょうか?
労務的な手続きを伴う場合の名称は、
法律に基づいて使用しないといけないと思うのですが
お客様やお取引先へこの期間はお休みしますよ
というご案内の場合は、
特に明確な決まりはないようですので

「夏季休暇のご案内」
「夏期休業のお知らせ」など

いずれも間違いではありません。

ただし、同じ会社が出すチラシやダイレクトメール、
ホームページで表記ゆれがあるのは美しくないので
うちの会社は、コレで行くぞ!と決めて
表記ゆれがないようご注意ください!

 

 

 

「引っ越し」「引越し」「引越」どれが正解?


春は、新住所で新生活を始める方も多く 引越はがき、引越報告の挨拶状を出される方が多い季節でもあります。

 

そもそも「ひっこし」は、

「引っ越し」「引越し」「引越」・・・どれが正しいのか?

 

「記者ハンドブック-新聞用字用語集-」には、

引っ掛かる 、引っかく、 引っ担いで、 引っ越し、 引っこ抜く ・・・などの記載があります。

 

 

また、礒崎陽輔さんの著書 「公用文の書き方 ver.4.2」の 「第4章 送り仮名」には下記のような記載があります。
———————————————————-
1、動詞系の語の複合語については、途中の送り仮名を、動詞のときは付けるが、名詞のときは付けない。

<名詞>   <動詞>
申込み ⇔ 申し込む
取扱い ⇔ 取り扱う
引下げ ⇔ 引き下げる
受付  ⇔ 受け付ける
差戻し ⇔ 差し戻す

(例) 引上げ、引受け、引換え、引込み、引締め、引継ぎ、引取り、引渡し、

ただし、次のように例外も多いので、習熟しなければならない。
(例外) 引き合い、引き出し、引き抜き、引き分け、引っ込み

 

2、活用のない語で送り仮名の省略の慣用が固定している次のような語句については、送り仮名を省略する。

(例) 手続、手引、届出、取扱所、取組、取引、荷受人、引当金、引受人、引換券、

———————————————————-

これらをふまえての、私の見解ですが…

「このたび引っ越しました。」というように 動詞として使う場合は、振り仮名をつけた「引っ越し」で 「引越報告」「引越はがき」というように 名詞として使う場合は、振り仮名なしの「引越」でよいのでは?

つまり、「引越し」は出る幕なし!?

 

しかし、引越はがきのサンプル文例には、

「下記住所に引越しました」とあります。

この表現は間違いか? と思うかもしれませんが これは、『ひっこしました』と読むのではなく 『ひっこしました』と読むのが正解! なんだと思うのです。

 

ではここで、
この春、新社会人になって地元を離れた方のための
引越はがきの文例を一つご紹介しましょう。

—————————————-
このたび大阪へ引っ越しました。
社会人としての新生活が始まったばかりで、
わくわくと不安が混在しておりますが、
毎日を楽しんで過ごそうと思っています。
少し離れてしまいましたが、
これからもどうぞよろしくお願いします。
—————————————-

引越はがき

引越はがき、大阪デザイン

 

 

また、『引越』の言い換え語として『転居』があります。

「引越」「引越し」「引っ越し」の送り仮名で迷ったら 「転居」を使う!という手があります。

 

引っ越し直後に挨拶状出せなかった場合は、
暑中見舞いのタイミングでお知らせしましょうね!

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暑中お見舞い申し上げます

暑い日が続いておりますが、お変わりございませんか。
今年の春に大阪へ転居いたしましたので お知らせいたします。
お近くにお越しの節は、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
今後ともよろしくお願いいたします。

平成○○年 ○月
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ともに と 共に の使い分け


表記テーマの第8弾! (たぶん8回目^^;)

今回は、「共に」と「ともに」の使い分けについて勉強しましょう!

 

久しぶりですので、またおさらいしておきます。(^^)

 

 

常用漢字であっても、仮名書きすべき語句 というのがあります。

漢字で書き表しても “間違いでなはい” とされておりますが、

それぞれの意味によって使い分けます。

 

 

 

◆共に <漢字で表記する場合>

“一緒”“同じ”の意味の場合は、漢字表記となります。

 

(例)行動を共にする。

自他共に認める。

生死を共にする。

喜びを共にする。

共に学んだ旧友。

母と共に食事をする。

 

 

◆ともに <ひらがな表記する場合>

“~と同時に”の意味の場合は、ひらがな表記となります。

(例)感謝申し上げるとともに ますますのご健勝をお祈り申し上げます

 

接尾語的に用いて、“全部”“どちらも”の意味の場合も、ひらがな表記となります。

(例)今後とも

公私ともにお世話になりました

母子ともに元気です

3人とも

送料とも500円

 

 

 

ん~~~ むずかしいですね。

 

私の中で腑に落ちないのは、「自他共に認める」

 

漢字表記だから

 自分も他人も“一緒に”認める。 “同じく”認める。 ということで、

 自分も他人も “どちらも”認める ということではないのか???

 

 個人的には、ひらがな表記のような気がするのだが、

「記者ハンドブック」という本にしっかりと例として掲載されているので

漢字表記で間違いないのでしょう~~。

ほんと、むずかしい(>_<)

さんがにち(三が日)


正月の「さんがにち」と言えば、
1月1日~3日までの3日間である事は、
みんな知ってますよね。

でも、この「さんがにち」

漢字で表すとどうなの???

私の使っているパソコンのFEP「MS-IME2002」では、

「三が日」,「三箇日」と変換されます。

でも、「三賀日」って使っている人もいて
インターネットで「三賀日」で検索すると
けっこういっぱいヒットします。

でも、辞書系のサイトはヒットせず
どれも誰かのブログとかばかりです。

そう、どうやらこの表現は、間違いで

“当て字”のようです。

私の勝手な推測ですけど
賀正、年賀状、賀詞、謹賀新年…などなど
「賀」を使うお正月関連用語が多いから とか
「賀」が喜びやお祝いという意味を持っているから
という理由で誰かが使い、
まねした誰かがまた使い…ってことで
広まったんじゃないかな?

ちなみに Wikipediaでは、「三が日」ってなってます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E6%9C%88%E4%B8%89%E3%81%8C%E6%97%A5

私の持っている辞書(←アナログなやつね!昔からある“本”)でも

「三が日」で掲載されています。

間違った用法も広まり続けると
いつか正解になってしまうなんてこともありますが・・・

これからも

疑問をもって、しっかり調べ

正しい日本語を使っていきたいな

と思います。(^^)

おかげさまをもちまして・・・に疑問


『お蔭様をもちまして…』って、正しい日本語ですか???

先日、目にした挨拶状に、
『お蔭様をもちまして、このたび創立10周年を迎えました』ってあったのです。

ん?

おかげさまをもちまして・・・ って? 日本語おかしくない??

なんて言うのかな・・・
その、丁寧に言おうとして変になるパターンて、言うのかな?

レジの人の「一万円の お預かりします」みたいな。
この「ほう」ってなんやねんっ!って言うね。
「一万円お預かりします」で、ええやんか!ってね(^^ゞ

正しくは、

おかげさまで
お蔭様で(お陰様で)
お蔭さまで(お陰さまで)

おかげをもちまして
お蔭をもちまして(お陰をもちまして)

のいずれかだと思うのです。

『かげ』の漢字も2つあるので、それぞれの意味を調べてみました。

陰(かげ)
1、かげ ⇔陽
2、おおいかくす。かくれる。
3、ひそか。ひそかな。
4、けがる。くもる。くもり⇔晴
5、くらい。うす暗い
6、時間「光陰矢のごとし」
7、うしろ。裏がわ。
8、北

蔭(かげ) ※常用外
1、かげ。こかげ。ひかげ。
2、おかげ。たすけ。
3、おおう。かばう。さえぎる。

「おかげさまで」と使う時の「かげ」は、上記の意味からすると
くさ冠つきの「蔭」が正解のようです。

ただ、この「蔭」は、常用外の漢字なので、
新常用漢字の基準では、ひらがなで「おかげさまで」と表現されています。

「おかげさまで今年で還暦を迎えます。」 とか
「おかげさまで大過なく職責を果たすことができました」 とか
「おかげをもちまして創業五〇周年を迎えることができました」 
というように使いましょう~!

実はね、検索すると意外と「お陰様をもちまして…」って使ってる人がいるんですよ。
↓ビジネスメールの紹介しているサイトですらその使い方してました(>_<) ↓ [caption id="attachment_443" align="alignnone" width="742"]おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして[/caption]

おかげさまで完売いたしました。』が正解ですよ!
「いたし」も補助動詞で使う場合は、ひらがなですから~!

そもそも、「~もちまして」って、なんなんだ!
「これをもちまして、終了とします」
「〇月〇日をもちまして、退職しました」

別に「これで終了します」でも「〇月〇日で退職しました」でも通じるのに
なぜかもったいつけて、「~もちまして」ってつけるのね(笑)

「もちまして」の不思議も、そのうちまた調べたいと思います~(^^)