表記テーマの第7弾!
今回は、「長い」 と 「永い」の使い分けについて勉強します!
まずは、それぞれの意味を見てみましょう。
◆「長い」 と 「永い」「長い」…はしからはしまでの隔たりが大きい。ある時点までの間隔が大きい。のんびりしている。
(例)長い年月/秋の夜長/長続き/気が長い/長い目で見る
「永い」…永遠、常しえ の意味合いが強い場合に用いる。(例)永い眠りにつく/永くその名が残る/末永くお幸せに/永年勤続(←これだけ特別)
これらは、漢字のイメージ通りなので、わりと簡単ですね。
『永い』を使う場合は、特に“永遠”を意味する場合に使い、
それ以外は、基本的に、『長い』を用いれば問題なさそうです。
ただし、「永年勤続(えいねんきんぞく)」だけは特別で、
同じ会社・職場に長い年月続けて勤務すること意味しますが、『永』としますので、ご注意を。
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表記テーマの第6弾!
「わたる」 と 「渡る」の使い分けについて勉強しましょう!
おさらいになりますが、
常用漢字であっても、仮名書きすべき語句 というのがあります。
漢字で書き表しても “間違いでなはい” とされておりますが、
なぜ書き分けるか? というと、それぞれの意味が違うからです。
◆「わたる」 と 「渡る」
「わたる」… ある期間・範囲に及ぶ
(例)長きにわたり/公私にわたり/すべてにわたる
「渡る」 …移動する、生活する、広がる
(例)川を渡る/晴れ渡る/人手に渡る/世渡り/刃渡り/渡り歩く
転勤、転職、退職、定年退職の挨拶状でよくある文章なので
各社のサンプル文例をチェックしてみました。
(挨拶状ドットコムの文例より)
公私にわたり色々とお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます
「わたり」はOK!
(Cardboxの文例より)
公私にわたり永い歳月を大過なく勤めさせて頂きましたのは
↓
公私にわたり長い歳月を大過なく勤めさせていただきましたのは
「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」、「頂く」→「いただく」
(鈴木印刷の文例より)
永きにわたり勤めさせて頂くことができましたのも…
↓
長きにわたり勤めさせていただくことができましたのも…
「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」、「頂く」→「いただく」
(一心社の文例より)
在職中は公私にわたり大変お世話になり 大過なく勤めることが出来ましたのも
皆様のおかげと心から感謝致しております
↓
在職中は公私にわたり大変お世話になり 大過なく勤めることができましたのも
皆様のおかげと心から感謝いたしております
「わたり」はOKなんですが、「出来」→「でき」、「致して」→「いたして」
(株式会社アーツの文例より)
○○年の永きにわたり 公私共に絶大なるご指導とご鞭撻に…
↓
○○年の長きにわたり 公私共に絶大なるご指導とご鞭撻に…
「わたり」はOKなんですが、「永き」が×
(栄光プリントの文例より)
入社以来○○年の永きにわたり 大過なく勤め得ることが…
↓
入社以来○○年の長きにわたり 大過なく勤めえることが…
もしくは
入社以来○○年の長きにわたり 大過なく勤めうることが…
「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」ですね。
「勤め得る」については、疑問なんです。
「勤めえる」なの? 「勤めうる」なの?
勤められることができた という意味ですよね?
「える」は同士の連用形について「…できる」という意味をもっています。
(goo辞書)
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/25679/m0u/ の5番「微笑を禁じえない」
ここから察するに「勤めえる」(もしくは「勤めうる」)とすべきだと思います。
『得る』については、後日改めて勉強したいと思います。
ちなみに常用漢字ではありませんが、「わたる」には、「亙る」、「亘る」 もあります。
◆「亘る」/「亙る」…一方の端から他方の端までとどく。こちらから向こうまで動く。
(例)五年に亘る(亙る)/工事被害は神戸全域に亘る(亙る)/多岐に亘る(亙る)
上記に挙げた退職等の挨拶文で、ひらがなの「わたる」ではなく、
漢字で書きたい場合は、「亘る」もしくは「亙る」で書きましょう。
公私に亘り(亙り) 長きに亘り(亙り)