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ともに と 共に の使い分け


表記テーマの第8弾! (たぶん8回目^^;)

今回は、「共に」と「ともに」の使い分けについて勉強しましょう!

 

久しぶりですので、またおさらいしておきます。(^^)

 

 

常用漢字であっても、仮名書きすべき語句 というのがあります。

漢字で書き表しても “間違いでなはい” とされておりますが、

それぞれの意味によって使い分けます。

 

 

 

◆共に <漢字で表記する場合>

“一緒”“同じ”の意味の場合は、漢字表記となります。

 

(例)行動を共にする。

自他共に認める。

生死を共にする。

喜びを共にする。

共に学んだ旧友。

母と共に食事をする。

 

 

◆ともに <ひらがな表記する場合>

“~と同時に”の意味の場合は、ひらがな表記となります。

(例)感謝申し上げるとともに ますますのご健勝をお祈り申し上げます

 

接尾語的に用いて、“全部”“どちらも”の意味の場合も、ひらがな表記となります。

(例)今後とも

公私ともにお世話になりました

母子ともに元気です

3人とも

送料とも500円

 

 

 

ん~~~ むずかしいですね。

 

私の中で腑に落ちないのは、「自他共に認める」

 

漢字表記だから

 自分も他人も“一緒に”認める。 “同じく”認める。 ということで、

 自分も他人も “どちらも”認める ということではないのか???

 

 個人的には、ひらがな表記のような気がするのだが、

「記者ハンドブック」という本にしっかりと例として掲載されているので

漢字表記で間違いないのでしょう~~。

ほんと、むずかしい(>_<)

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社長死去による社長交代 挨拶状 文例


通常の社長交代ではなく、死去による交代の場合
挨拶状の文章をどうすればいいのか悩まれる方は多いようです。

ここ最近連続で見かけた、なんか“ヘン”な挨拶状の文章

————————————————-
代表者死去の案内と就任
————————————————-
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
去る ○月○○日 弊社 代表取締役 ○○○○○が永眠いたしました
ここにあらためて生前の御厚誼に深謝し心から御礼申し上げます

さて 私儀 ○○○○○
この度 故 ○○○○○の後任として代表取締役に就任いたしました

– – – – – –

つきましては誠に微力ではございますがお客様へのサービスの向上と
社業発展につとめる所存でございますので前社長同様に
格別のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
                      敬具
平成○○○年○月

株式会社○○○○○○
代表取締役  ○○○○○)
——————————————————-

 ↓↓↓↓↓↓

え~と、まず、「私儀 ○○○○○」の部分ですが、
恐らくこの○○○○部分には個人氏名を入れるということなのでしょうけど…

これがNG!

なぜなら、「私儀」「私こと」は、
それだけで「わたくしごとではございますが」という意味になるので
その後には、お名前を入れません。

 「“ベーやん”こと、堀内孝雄です。」っていう使い方は、
  ありと思いますが(^^ゞ

私なら下記のような文章に訂正します。

——————————————————-
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
去る ○月○○日 弊社 代表取締役 ○○○○○が永眠いたしました
ここにあらためて生前の御厚誼に深謝し心から御礼申し上げます
                  さて 私儀
このたび 故 ○○○○○の後任として代表取締役に就任いたしました
はなはだ微力ではございますがお客様へのサービスの向上と
社業発展につとめる所存でございますので
前任者同様に格別のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
                      敬具
平成○○○年○月

株式会社 ○○○○○○
代表取締役  ○○○○○
——————————————————-

こっちのが、いいでしょ♪(*^_^*)

前社長死去による社長交代ごあいさつ(2011年8月24日の記事)

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おかげさまをもちまして・・・に疑問


『お蔭様をもちまして…』って、正しい日本語ですか???

先日、目にした挨拶状に、
『お蔭様をもちまして、このたび創立10周年を迎えました』ってあったのです。

ん?

おかげさまをもちまして・・・ って? 日本語おかしくない??

なんて言うのかな・・・
その、丁寧に言おうとして変になるパターンて、言うのかな?

レジの人の「一万円の お預かりします」みたいな。
この「ほう」ってなんやねんっ!って言うね。
「一万円お預かりします」で、ええやんか!ってね(^^ゞ

正しくは、

おかげさまで
お蔭様で(お陰様で)
お蔭さまで(お陰さまで)

おかげをもちまして
お蔭をもちまして(お陰をもちまして)

のいずれかだと思うのです。

『かげ』の漢字も2つあるので、それぞれの意味を調べてみました。

陰(かげ)
1、かげ ⇔陽
2、おおいかくす。かくれる。
3、ひそか。ひそかな。
4、けがる。くもる。くもり⇔晴
5、くらい。うす暗い
6、時間「光陰矢のごとし」
7、うしろ。裏がわ。
8、北

蔭(かげ) ※常用外
1、かげ。こかげ。ひかげ。
2、おかげ。たすけ。
3、おおう。かばう。さえぎる。

「おかげさまで」と使う時の「かげ」は、上記の意味からすると
くさ冠つきの「蔭」が正解のようです。

ただ、この「蔭」は、常用外の漢字なので、
新常用漢字の基準では、ひらがなで「おかげさまで」と表現されています。

「おかげさまで今年で還暦を迎えます。」 とか
「おかげさまで大過なく職責を果たすことができました」 とか
「おかげをもちまして創業五〇周年を迎えることができました」 
というように使いましょう~!

実はね、検索すると意外と「お陰様をもちまして…」って使ってる人がいるんですよ。
↓ビジネスメールの紹介しているサイトですらその使い方してました(>_<) ↓ [caption id="attachment_443" align="alignnone" width="742"]おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして[/caption]

おかげさまで完売いたしました。』が正解ですよ!
「いたし」も補助動詞で使う場合は、ひらがなですから~!

そもそも、「~もちまして」って、なんなんだ!
「これをもちまして、終了とします」
「〇月〇日をもちまして、退職しました」

別に「これで終了します」でも「〇月〇日で退職しました」でも通じるのに
なぜかもったいつけて、「~もちまして」ってつけるのね(笑)

「もちまして」の不思議も、そのうちまた調べたいと思います~(^^)

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長い と 永い の使い分け


表記テーマの第7弾!
今回は、「長い」 と 「永い」の使い分けについて勉強します!

 

まずは、それぞれの意味を見てみましょう。
◆「長い」 と 「永い」

「長い」…はしからはしまでの隔たりが大きい。ある時点までの間隔が大きい。のんびりしている。

(例)長い年月/秋の夜長/長続き/気が長い/長い目で見る
「永い」…永遠、常しえ の意味合いが強い場合に用いる。

(例)永い眠りにつく/永くその名が残る/末永くお幸せに/永年勤続(←これだけ特別)

 

これらは、漢字のイメージ通りなので、わりと簡単ですね。
『永い』を使う場合は、特に“永遠”を意味する場合に使い、
それ以外は、基本的に、『長い』を用いれば問題なさそうです。
ただし、「永年勤続(えいねんきんぞく)」だけは特別で、
同じ会社・職場に長い年月続けて勤務すること意味しますが、

『永』としますので、ご注意を。

 

 



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「程」と「ほど」の使い分け


「参る」 と 「まいる」の使い方 でもご紹介しましたが

常用漢字であっても、仮名書きすべき語句 というのがあります。

漢字で書き表しても “間違いでなはい” とされておりますが、

なぜ書き分けるか? というと、それぞれの意味が違うからです。

 

◆「ほど」 と 「程」

「ほど」…「~ぐらい」「~につれてますます」などの意味で用いる。

(例)三日間ほど / お引き立てのほど / ご容赦のほど

 

「程」 …物事の程度・度合い、時間的・距離的の程度などを表すときに用いる。

(例)冗談にも程がある/程遠い道のり/程なく終わった/身の程をわきまえる

 

意味を知っても、判断難しいですよね。

では、挨拶状、案内状、招待状などでよく使われる文例をご紹介しましょう。

 

◎ 出向を命ぜられこのほど 着任いたしました

◎ 一身上の都合によりこのほど 退職いたすことになりました

◎ 御指導と御厚誼のほど 宜しくお願い申し上げます

◎ 今後ともご指導ご支援のほど 宜しくお願い申し上げます

◎ ご活躍のほど、お祈り申し上げます

◎ 今後とも変らぬお引き立てのほど よろしくお願い申し上げます

◎ 今後とも変わらぬお付き合いのほど よろしくお願いいたします

◎ ご都合のほど ○○月○○日までに同封のはがきにて お知らせください

 

 

どうですか?

これらの挨拶文で使われる場合、ひらがなの 「ほど」 が圧倒的に多いですね。

日本語って、ふんわりした表現、あいまいな表現が好きだから

「ほど」が多いのではないでしょうか!?

 

上記のような文章は、印刷屋さん(挨拶状屋さん)でも用意されていますが

ほとんどが、漢字の「程」の表記を使われていました。(ーー;)

 

要するに適当に文例を用意しているだけで

本当に日本語と向き合って文例を用意してくれているわけではないのよね。

 

正しい日本語、まだまだ勉強してきましょう~!(^o^)丿