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さんがにち(三が日)


正月の「さんがにち」と言えば、
1月1日~3日までの3日間である事は、
みんな知ってますよね。

でも、この「さんがにち」

漢字で表すとどうなの???

私の使っているパソコンのFEP「MS-IME2002」では、

「三が日」,「三箇日」と変換されます。

でも、「三賀日」って使っている人もいて
インターネットで「三賀日」で検索すると
けっこういっぱいヒットします。

でも、辞書系のサイトはヒットせず
どれも誰かのブログとかばかりです。

そう、どうやらこの表現は、間違いで

“当て字”のようです。

私の勝手な推測ですけど
賀正、年賀状、賀詞、謹賀新年…などなど
「賀」を使うお正月関連用語が多いから とか
「賀」が喜びやお祝いという意味を持っているから
という理由で誰かが使い、
まねした誰かがまた使い…ってことで
広まったんじゃないかな?

ちなみに Wikipediaでは、「三が日」ってなってます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E6%9C%88%E4%B8%89%E3%81%8C%E6%97%A5

私の持っている辞書(←アナログなやつね!昔からある“本”)でも

「三が日」で掲載されています。

間違った用法も広まり続けると
いつか正解になってしまうなんてこともありますが・・・

これからも

疑問をもって、しっかり調べ

正しい日本語を使っていきたいな

と思います。(^^)

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おかげさまをもちまして・・・に疑問


『お蔭様をもちまして…』って、正しい日本語ですか???

先日、目にした挨拶状に、
『お蔭様をもちまして、このたび創立10周年を迎えました』ってあったのです。

ん?

おかげさまをもちまして・・・ って? 日本語おかしくない??

なんて言うのかな・・・
その、丁寧に言おうとして変になるパターンて、言うのかな?

レジの人の「一万円の お預かりします」みたいな。
この「ほう」ってなんやねんっ!って言うね。
「一万円お預かりします」で、ええやんか!ってね(^^ゞ

正しくは、

おかげさまで
お蔭様で(お陰様で)
お蔭さまで(お陰さまで)

おかげをもちまして
お蔭をもちまして(お陰をもちまして)

のいずれかだと思うのです。

『かげ』の漢字も2つあるので、それぞれの意味を調べてみました。

陰(かげ)
1、かげ ⇔陽
2、おおいかくす。かくれる。
3、ひそか。ひそかな。
4、けがる。くもる。くもり⇔晴
5、くらい。うす暗い
6、時間「光陰矢のごとし」
7、うしろ。裏がわ。
8、北

蔭(かげ) ※常用外
1、かげ。こかげ。ひかげ。
2、おかげ。たすけ。
3、おおう。かばう。さえぎる。

「おかげさまで」と使う時の「かげ」は、上記の意味からすると
くさ冠つきの「蔭」が正解のようです。

ただ、この「蔭」は、常用外の漢字なので、
新常用漢字の基準では、ひらがなで「おかげさまで」と表現されています。

「おかげさまで今年で還暦を迎えます。」 とか
「おかげさまで大過なく職責を果たすことができました」 とか
「おかげをもちまして創業五〇周年を迎えることができました」 
というように使いましょう~!

実はね、検索すると意外と「お陰様をもちまして…」って使ってる人がいるんですよ。
↓ビジネスメールの紹介しているサイトですらその使い方してました(>_<) ↓ [caption id="attachment_443" align="alignnone" width="742"]おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして おかげさまで。おかげをもちまして。おかげさまをもちまして[/caption]

おかげさまで完売いたしました。』が正解ですよ!
「いたし」も補助動詞で使う場合は、ひらがなですから~!

そもそも、「~もちまして」って、なんなんだ!
「これをもちまして、終了とします」
「〇月〇日をもちまして、退職しました」

別に「これで終了します」でも「〇月〇日で退職しました」でも通じるのに
なぜかもったいつけて、「~もちまして」ってつけるのね(笑)

「もちまして」の不思議も、そのうちまた調べたいと思います~(^^)

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時候のあいさつ


手紙やはがき等、各種挨拶状には、“時候のあいさつ” がつき物です。

時候のあいさつ とは、季節を話題にしたあいさつのことです。

 

日常生活でも、「今日はいい天気ですね」 とか

「今日は寒いね」とか、天気や季節の話題をすると思いますが

手紙でも同じです。

ただし、儀礼的な挨拶状の場合は、ちょっと独特な言い回しを使います。

(例) 拝啓 早春の候 いかがお過ごしでしょうかか?

“早春の候”というのが、時候の挨拶です。

 

挨拶状の場合は、「差出月」(相手が受けとる時期)に合わせて

時候の挨拶を使い分けます。

挨拶状の内容が、『今年の8月に結婚し・・・・・・しました。』 でも

差し出す日(投函する日)が、10月だったとすれば、10月の季語を使って挨拶します。

この季語、季節 というのが、暦を基準としてまして、

立春(2/4頃)から 立夏(5/5頃) までが、春
立夏(5/5頃)から 立秋(8/7頃) までが、夏
立秋(8/7頃)から 立冬(11/7頃) までが、秋
立冬(11/7頃)から 立春(2/4頃) までが、冬

 ということになります。

 現代の体感的な季節とは、ちょっとずれてますよね。

お盆なんて、“真夏”って気がしますけど、暦的にはもう秋が始まってますので

お盆の時期の挨拶では、「暑中お見舞い申し上げます」ではなく、

「残暑お見舞い申し上げます」と書きます。

 

暦を基準とするならば、

8月中旬以降の挨拶状なら 『初秋の候』 を使ってもよさそうなのに

『初秋の候』 は、9月の季語、時候の挨拶とされています。

同じく、11月も立冬を過ぎれば、『初冬の候』 と使ってもよさそうなのに

『初冬の候』は、12月の季語、時候の挨拶とされています。

 

なぜなんですかね???

慣用句のように、習慣的に長い間広く使われてきたためにそうなっちゃったんでしょうか?(・・?

11月に使える時候の挨拶として、「晩秋の候」や「暮秋の候」がありますが、

“立冬”が過ぎて、“秋”を使うのに違和感を感じるようであれば、

「向寒の候」 や 「落葉の候」 をお奨めします!(^^)

 

ちなみに 今日 11月7日 立秋 です(*^_^*)

 

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長い と 永い の使い分け


表記テーマの第7弾!
今回は、「長い」 と 「永い」の使い分けについて勉強します!

 

まずは、それぞれの意味を見てみましょう。
◆「長い」 と 「永い」

「長い」…はしからはしまでの隔たりが大きい。ある時点までの間隔が大きい。のんびりしている。

(例)長い年月/秋の夜長/長続き/気が長い/長い目で見る
「永い」…永遠、常しえ の意味合いが強い場合に用いる。

(例)永い眠りにつく/永くその名が残る/末永くお幸せに/永年勤続(←これだけ特別)

 

これらは、漢字のイメージ通りなので、わりと簡単ですね。
『永い』を使う場合は、特に“永遠”を意味する場合に使い、
それ以外は、基本的に、『長い』を用いれば問題なさそうです。
ただし、「永年勤続(えいねんきんぞく)」だけは特別で、
同じ会社・職場に長い年月続けて勤務すること意味しますが、

『永』としますので、ご注意を。

 

 



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渡る と わたる の使い分け


表記テーマの第6弾!

「わたる」 と 「渡る」の使い分けについて勉強しましょう!
おさらいになりますが、

常用漢字であっても、仮名書きすべき語句 というのがあります。

漢字で書き表しても “間違いでなはい” とされておりますが、

なぜ書き分けるか? というと、それぞれの意味が違うからです。

 
◆「わたる」 と 「渡る」

「わたる」… ある期間・範囲に及ぶ

(例)長きにわたり/公私にわたり/すべてにわたる
「渡る」 …移動する、生活する、広がる

(例)川を渡る/晴れ渡る/人手に渡る/世渡り/刃渡り/渡り歩く
転勤、転職、退職、定年退職の挨拶状でよくある文章なので
各社のサンプル文例をチェックしてみました。

 

(挨拶状ドットコムの文例より)
公私にわたり色々とお世話になりましたことを厚く御礼申し上げます

「わたり」はOK!

 

(Cardboxの文例より)
公私にわたり永い歳月を大過なく勤めさせて頂きましたのは

公私にわたり長い歳月を大過なく勤めさせていただきましたのは

「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」、「頂く」→「いただく」

 

(鈴木印刷の文例より)
永きにわたり勤めさせて頂くことができましたのも…

長きにわたり勤めさせていただくことができましたのも…

「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」、「頂く」→「いただく」

 

(一心社の文例より)
在職中は公私にわたり大変お世話になり 大過なく勤めることが出来ましたのも
皆様のおかげと心から感謝致しております

在職中は公私にわたり大変お世話になり 大過なく勤めることができましたのも
皆様のおかげと心から感謝いたしております

「わたり」はOKなんですが、「出来」→「でき」、「致して」→「いたして」
(株式会社アーツの文例より)
○○年の永きにわたり 公私共に絶大なるご指導とご鞭撻に…

○○年の長きにわたり 公私共に絶大なるご指導とご鞭撻に…

「わたり」はOKなんですが、「永き」が×
(栄光プリントの文例より)
入社以来○○年の永きにわたり 大過なく勤め得ることが…

入社以来○○年の長きにわたり 大過なく勤めえることが…
もしくは
入社以来○○年の長きにわたり 大過なく勤めうることが…

「わたり」はOKなんですが、「永き」→「長き」ですね。

「勤め得る」については、疑問なんです。
「勤める」なの? 「勤める」なの?
勤められることができた という意味ですよね?
「える」は同士の連用形について「…できる」という意味をもっています。
(goo辞書)
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/25679/m0u/ の5番「微笑を禁じえない」
ここから察するに「勤めえる」(もしくは「勤めうる」)とすべきだと思います。
『得る』については、後日改めて勉強したいと思います。
ちなみに常用漢字ではありませんが、「わたる」には、「亙る」、「亘る」 もあります。

◆「亘る」/「亙る」…一方の端から他方の端までとどく。こちらから向こうまで動く。

(例)五年に亘る(亙る)/工事被害は神戸全域に亘る(亙る)/多岐に亘る(亙る)

上記に挙げた退職等の挨拶文で、ひらがなの「わたる」ではなく、
漢字で書きたい場合は、「亘る」もしくは「亙る」で書きましょう。

公私に亘り(亙り)  長きに亘り(亙り)